東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則(平成23年厚生労働省令第152号。以下「除染電離則」という。)

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目次

第一章 総則(第一条・第二条)

第二章 線量の限度及び測定(第三条一第六条)

第三章 除染等業務の実施に関する措置(第七条一第十一条)第四章汚染の防止(第十二条一第十八条)

第五章 特別の教育(第十九条)

第六章 健康診断(第二十条一第二十五条)

第七章 雑則(第二十六条一篇二十九条)

附則

 

第一章 総則

(事故由来放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る放射線障害防止の基本原則)第一条事業者は、除染等業務従事者その他の労働者が電離放射線を受けることをできるだけ少なくするように努めなければならない。

 

●基本原則(1条関係 の解説)

1条は、放射線により人体が受ける線量が除染電離則に定める限度以下であっても、確率的影響の可能性を否定できないため、除染電離則全般に通じる基本原則を規定したものであること。

 

(定義)

第二条 この省令で「事業者」とは、除染等業務を行う事業の事業者をいう。

2 この省令で「除染等業務従事者」とは、除染等業務に従事する労働者をいう。

3 この省令で「電離放射線」とは、電離放射線障害防止規則(昭和四十七年労働省令第四十一号。以下「電離則」という。) 第二条第一項の電離放射線をいう。

4 この省令で「事故由来放射性物質」とは、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により当該原子力発電所から放出された放射性物質(電離則第二条第二項の放射性物質に限る。) をいう。

5 この省令で「土壌等の除染等の業務」とは、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成二十三年法律第百十号)第二十五条第一項に規定する除染特別地域又は同法第三十二条第一項に規定する汚染状況重点調査地域(以下「除染特別地域等」という。) 内における事故由来放射性物質により汚染された土壌、草木、工作物等について講ずる当該汚染に係る土壌、落葉及び落枝、水路等に堆積した汚泥等(以下「汚染土壌等」という。) の除去、当該汚染の拡散の防止その他の措置を講ずる業務をいう。

6 この省令で「除去土壌」とは、前項の措置に伴い生じた土壌(当該土壌に含まれる事故由来放射性物質のうち厚生労働大臣が定める方法によって求めるセシウム百三十四及びセシウム百三十七の放射能濃度の値が一万ベクレル毎キログラムを超えるものに限る。) をいう。

2r9852000001yyaj.pdf での頁 124

 

7 この省令で「廃棄物収集等業務」とは、除染特別地域等内における除去土壌又は事故由来放射性物質により汚染された廃棄物(当該廃棄物に含まれる事故由来放射性物質のうち厚生労働大臣が定める方法によって求めるセシウム百三十四及びセシウム百三十七の放射能濃度の値が一万ベクレル毎キログラムを超えるものに限る。以下「汚染廃棄物」という。) の収集、運搬又は保管に係る業務をいう。

8 この省令で「除染等業務」とは、土壌等の除染等の業務又は廃棄物収集等業務をいう。

 

●定義(2条関係 の解説)

ア 本条は、除染電離則における用語の定義を示したものであること。

イ 第5項の特描法第25条第1項に規定する除染特別地域又は同法第32条第1項に規定する汚染状況重点調査地域(以下「除染特別地域等」という。) について、除染電離則施行日において指定されているものは1のとおりであること。

ウ 第6項及び第7項において、事故由来放射性物質に含まれる放射性同位元素のうち、セシウム134及びセシウム137のみの放射能濃度に着目したのは、セシウム134及びセシウム137に比べて、他の放射性同位元素による実効線量は非常に小さく、今後の被ばく線量評価や除染対策においては、セシウム134及びセシウム137の沈着量に着目していくことが適切であるとされたことによるものであること。

エ 第6項及び第7項において、除去土壌及び汚染廃棄物のセシウム134及びセシウム137の放射能濃度の下限値である1万ベクレル毎キログラムについては、電離則第2条第2項及び電離則別表第1で定める放射性物質の定義のうち、セシウム134及びセシウム137の放射能濃度の下限値と同じであること。

オ 第7項において、除去土壌又は汚染廃棄物の処分(上下水道施設、焼却施設、中間処理施設、埋め立て処分場等における業務)の業務が含まれていないのは、これらの業務が管理された線源である上下水汚泥や焼却灰等からの被ばくが支配的であること、主として屋内で作業が行われるものであることから、除染電離則を適用せず、電離則を適用することとしたためであること。

 

●除去土壌及び汚染廃棄物の放射能濃度を求める方法(基準告示第1条関係 の解説)

ア 第6項及び第7項における「厚生労働大臣が定める方法」については、基準告示第1条によること。

イ 基準告示第1条第1項の「除去土壌のうち最も放射能濃度が高いと見込まれるもの」には、空間線量率の測定点のうち最も高い空間線量率が測定された地点におけるもの、若しくは雨水、泥等が滞留しやすい場所、植物及びその根元等におけるものがあること。

ウ 試料は、作業場所ごとに(作業場の面積が1,000平方メートルを上回る場合は1,000平方メートルごとに)数点採取すること。ただし、作業場の面積が1,000平方メートルを大きく上回る場合であって、作業場が農地であるなど、汚染土壌等、除去土壌又は汚染廃棄物の放射能濃度が比較的均一であると見込まれる場合は、試料を採取する箇所数は1,000平方メートルごとに少なくとも1点として差し支えないこと。

エ 基準告示第1項第2号による分析方法は、同項第1号に定める分析を実施することが困難な場合のための簡易な方法として定めたものであり、その具体的な実施手順としては、「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」(平成241222目付け基発12226号。以下「ガイドライン」という。) 別紙6-1で定めるものがあること。

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 125

 

第二章 線量の限度及び測定

(除染等業務従事者の被ばく限度)

第三条 事業者は、除染等業務従事者の受ける実効線量が五年間につき百ミリシーベルトを超えず、かつ、一年間につき五十ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。

2 事業者は、前項の規定にかかわらず、女性の除染等業務従事者(妊娠する可能性がないと診断されたもの及び次条に規定するものを除く。) の受ける実効線量については、三月間につき五ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。

 

●除染等業務従事者の被ばく限度(3条第1項関係 の解説)

ア 第3条第1項に定める被ばく限度は、国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告において、現存被ばく状況(放射線源がその管理についての決定をしなければならない時に既に存在する、緊急事態後の長期被ばく状況を含む被ばく状況)においては、計画被ばく状況(放射線源が管理されている被ばく状況)の職業被ばく限度を適用すべきであるとしていることを踏まえ、電離則第4条及び第6条に定める放射線業務従事者の被ばく限度と同じ被ばく限度を採用したものであること。

イ 眼の水晶体の等価線量限度については、除染等作業では指向性の高い線源がないため、眼のみが高線量の被ばくをすることは考えられないこと、皮膚の等価線量限度については、除染等作業においては、ベータ線による皮膚の等価線量がガンマ線による実効線量の10倍を超えることは考えられないことから、第3条の実効線量限度を満たしていれば、眼の水晶体及び皮膚に対する等価線量限度を超えるおそれがないことから、定めていないものであること。

ウ 第1項の「5年間」については、異なる複数の事業場において除染等業務に従事する労働者の被ばく線量管理を適切に行うため、全ての除染等業務を事業として行う事業場において統一的に平成2411日を始期とし、「平成2411日から平成281231日まで」とすること。平成2411日から平成281231日までの間に新たに除染等業務を事業として実施する事業者についても同様とし、この場合、事業を開始した日から平成281231日までの残り年数に20ミリシーベルトを乗じた値を、平成281231日までの第1項の被ばく線量限度とみなして関係規定を適用すること。

エ 第1項の「1年間」については、「5年間」の始期の日を始期とする1年間であり、「平成2411目から平成241231日まで」とすること。ただし、平成23311目以降に受けた線量は、平成2411日に受けた線量とみなして合算すること。

オ 事業者は、「5年間」の途中に新たに自らの事業場において除染等業務に従事することとなった労働者について、当該「5年間」の始期より当該除染等業務に従事するまでの被ばく線量を当該労働者が前の事業者から交付された線量の記録(労働者がこれを有していない場合は前の事業場から再交付を受けさせること。) により確認すること。

カ 実効線量が1年間に20ミリシーベルトを超える労働者を使用する事業者に対しては、作業環境、作業方法及び作業時間等の改善により当該労働者の被ばくの低減を図るよう指導すること。

キ 上記ウ及びエの始期を除染等業務従事者に周知させること。

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 126

 

●被ばく限度(3条第2項関係 の解説)

ア 第2項については、妊娠に気付かない時期の胎児の被ばくを特殊な状況下での公衆の被ばくと同等程度以下となるようにするため、「3月間につき5ミリシーベルト」としたこと。なお、「3月間につき5ミリシーベルト」とは、「5年間につき100ミリシーベルト」を3月間に割り振ったものであること。

イ 「3月間」の最初の「3月間」の始期は第1項の「1年間」の始期と同じ日にすること。「1年間」

の始期は「11日」であるので、「3月間」の始期は「11日、41日、7]1日及び10]1日」となること。

ウ イの始期を除染等業務従事者に周知させること。

エ 第2項の「妊娠する可能性がない」との医師の診断を受けた女性についての実効線量の限度は第1項によることとなるが、当該診断の確認については、当該診断を受けた女性の任意による診断書の提出によることとし、当該女性が当該診断書を事業者に提出する義務を負うものではないこと。

 

第四条 事業者は、妊娠と診断された女性の除染等業務従事者の受ける線量が、妊娠と診断されたときから出産までの間(以下「妊娠中」という。) につき次の各号に掲げる線量の区分に応じて、それぞれ当該各号に定める値を超えないようにしなければならない。

一 内部被ばくによる実効線量一ミリシーベルト

二 腹部表面に受ける等価線量二ミリシーベルト

 

●被ばく限度(4条関係 の解説)

妊娠と診断された女性については、胎児の被ばくを公衆の被ばくと同等程度以下になるようにするため、他の労働者より厳しい限度を適用することとしたこと。

 

(線量の測定)

第五条 事業者は、除染等業務従事者が除染特別地域等内における除染等業務に係る作業(以下「除染等作業」という。) により受ける外部被ばくによる線量を測定しなければならない。

2 事業者は、前項の規定による線量の測定に加え、除染等業務従事者が除染特別地域等内(厚生労働大臣が定める方法によって求める平均空間線量率(以下単に「平均空間線量率」という。) が二・五マイクロシーベルト毎時を超える場所に限る。第八項及び第十条において同じ。) における除染等作業により受ける内部被ばくによる線量の測定又は内部被ばくに係る検査を次の各号に定めるところにより行わなければならない。

一 汚染土壌等又は除去土壌若しくは汚染廃棄物(これらに含まれる事故由来放射性物質のうち厚生労働大臣が定める方法によって求めるセシウム百三十四及びセシウム百三十七の放射能濃度の値が五十万ベクレル毎キログラムを超えるものに限る。次号において「高濃度汚染土壌等」という。) を取り扱う作業であって、粉じん濃度が十ミリグラム毎立方メートルを超える場所において行われるものに従事する除染等業務従事者については、三月以内(一月間に受ける実効線量が一・七ミリシーベルトを超えるおそれのある女性(妊娠する可能性がないと診断されたものを除く。) 及び妊娠中の女性にあっては一月以内)ごとに一回内部被ばくによる線量の測定を行うこと。

二 次のイ又はロに掲げる作業に従事する除染等業務従事者については、厚生労働大臣が定める方法により内部被ばくに係る検査を行うこと。

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 127

 

イ 高濃度汚染土壌等を取り扱う作業であって、粉じん濃度が十ミリグラム毎立方メートル以下の場所において行われるもの

ロ 高濃度汚染土壌等以外の汚染土壌等又は除去土壌若しくは汚染廃棄物を取り扱う作業であって、粉じん濃度が十ミリグラム毎立方メートルを超える場所において行われるもの

3 事業者は、前項第二号の規定に基づき除染等業務従事者に行った検査の結果が内部被ばくについて厚生労働大臣が定める基準を超えた場合においては、当該除染等業務従事者について、同項第一号で定める方法により内部被ばくによる線量の測定を行わなければならない。

4 第一項の規定による外部被ばくによる線量の測定は、一センチメートル線量当量について行うものとする。

5 第一項の規定による外部被ばくによる線量の測定は、男性又は妊娠する可能性がないと診断された女性にあっては胸部に、その他の女性にあっては腹部に放射線測定器を装着させて行わなければならない。

6 前二項の規定にかかわらず、事業者は、除染等業務従事者の除染特別地域等内(平均空間線量率が二・五マイクロシーベルト毎時以下の場所に限る。) における除染等作業により受ける第一項の規定による外部被ばくによる線量の測定を厚生労働大臣が定める方法により行うことができる。

7 第二項の規定による内部被ばくによる線量の測定に当たっては、厚生労働大臣が定める方法によってその値を求めるものとする。

8 除染等業務従事者は、除染特別地域等内における除染等作業を行う場所において、放射線測定器を装着しなければならない。

 

●線量の測定(5条関係 の解説)

ア 第1項の「除染特別地域等内における除染等作業により受ける外部被ばく」とは、除染等作業に従事する間(拘束時間)における外部被ばくであり、いわゆる生活時間における被ばくについては含まれないこと。

イ 第2項の2.5マイクロシーベルト毎時は、電離則第3条の管理区域設定基準である、3月間につき1.3ミリシーベルト(1年間につき5ミリシーベルト)を、1年間の労働時間である、週40時間52週間で割戻したものであること。

ウ 第2項第1号の女性(妊娠する可能性がないと診断されたものを除く。) について1月以内ごとに1回、それ以外の者は3月以内ごとに1回の測定を行うのは、それぞれの被ばく線量限度を適用する期間より短い期間で線量の算定、記録を行うことにより、当該被ばく線量限度を超えないように管理するためであること。ただし、1月間に1.7ミリシーベルトを超えるおそれのない女性については、3月で5ミリシーベルトを超えるおそれがないので、3月以内ごとに1回の測定を行えば足りること。

なお、「1月間に受ける実効線量が1,7ミリシーベルトを超えるおそれのある」ことの判断に当たっては、個人の被ばく歴、当該者が今後就くことが予定されている業務内容及び作業場の平均空間線量率等から合理的に判断すれば足りるものであること。

 

●平均空間線量率の計算方法(5条第2項及び基準告示第2条関係 の解説)

ア 第5条第2項の平均空間線量率の算定方法は、基準告示第2条に定めるところによること。

イ 基準告示第2条第1号及び第2号は、作業場が農地等であるなど、汚染の状況が比較的均一であると見込まれる場合における平均空間線量率の算定方法を定めたものであること。

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 128

 

ウ 基準告示第2条第3号は、作業場内の空間線量率に著しい差が生じていると見込まれる場合における時間平均による平均空間線量率の算定方法を定めたものであり、算定に当たっては以下の事項に留意すること。

@ 「作業場の特定の場所に事故由来放射性物質が集中している場合」には、住宅地等における雨水が集まる場所及びその排出口、植物及びその根元、雨水・泥・土がたまりやすい場所、微粒子が付着しやすい構造物等やその近傍等が含まれること。

A 空間線量率が高いと見込まれる場所の地上1メートルの位置(特定測定点)1,000平方メートルごとに数点測定すること。

B 最も被ばく線量が大きいと見込まれる代表的個人について算定すること。

C 同一場所での作業が複数日にわたって行われる場合は、最も被ばく線量が大きい作業を実施する日を想定して算定すること。

 

●内部被ばく測定(5条第2項第1号及び第2号関係 の解説)

ア 第5条第2項第1号は、粉じん濃度が10ミリグラム毎立方メートルを超える場所において、高濃度汚染土壌等(放射能濃度が50万ベクレル毎キログラムを超えるものに限る。以下同じ。) を取り扱う作業を実施する状況では、防じんマスクが全く使用されない無防備な状況を想定した場合、内部被ばく実効線量が1年につき1ミリシーベルトを超える可能性があることから、3月以内ごとに1回の内部被ばく測定を義務付けたものであること。

なお、放射能濃度50万ベクレル毎キログラムを超える高濃度汚染土壌等は、計画的避難区域又は警戒区域以外の地域では、ほとんど観測されていないこと。

イ 第5条第2項第2号は、アの想定結果を踏まえ、粉じん濃度が10ミリグラム毎立方メートルを超える場所における作業又は高濃度汚染土壌等を取り扱う作業を行う場合にあっては、直ちに同条第2項第1号の内部被ばく測定を行うのではなく、1日の作業終了時に同条第2項第2号のスクリーニング検査を実施し、(7)の基準値を超えたことがあった場合は、3月以内ごとに1回、内部被ばく測定を義務付けたものであること。

なお、粉じん濃度が10ミリグラム毎立方メートルを超える場所でなく、かつ、高濃度汚染土壌等を取り扱う作業を行わない場合であっても、突発的に高い濃度の粉じんにばく露された場合にはスクリーニング検査を実施することが望ましいこと。

ウ 第5条第2項において、粉じん濃度が10ミリグラム毎立方メートルを超える場所における作業に該当するかどうかの判断については、以下のとおりとすること。

@ 土壌等のはぎ取り、アスファルト・コンクリートの表面研削・はつり、除草作業、除去土壌等のかき集め・袋詰め、建築・工作物の解体等を乾燥した状態で行う場合は、粉じん濃度が10ミリグラム毎立方メートルを超えるものとみなして第5条第2項各号に定める措置を講ずること。

A @にかかわらず、作業中に粉じん濃度の測定を行った場合は、その測定結果によって高濃度粉じん作業に該当するかどうか判断すること。測定による判断方法については、ガイドラインの別紙3で定める方法があること。

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 129

 

●スクリーニング検査(5条第2項第2号及び第5条第3項関係 の解説)

ア 第5条第2項第2号の厚生労働大臣が定める方法による内部被ばくに係る検査は、基準告示第3条によること。

イ 第5条第3項の厚生労働大臣が定める基準は、基準告示第4条に規定されていること。同条において、スクリーニング検査の基準値は、防じんマスク又は鼻腔内に付着した放射性物質の表面密度について、除染等業務従事者が1日の除染等作業により受ける内部被ばくによる線量の合計が、3月間に換算して1ミリシーベルトを十分下回るものとなることを確認するに足る数値であるが、その判断基準値の設定に当たっての目安としては以下のものがあること。

@ 防じんマスクの表面密度の判断基準の設定の目安には、10,000カウント毎分(通常、防護係数は3を期待できるところ防護係数を2とする厳しい仮定を置き、防じんマスクの表面に50%質が付着して残りの50%を吸入すると仮定して試算した場合、3月間につき内部被ばく実効線量は約0.01ミリシーベルト相当)があること。

A 鼻腔内に付着した放射性物質の表面密度の測定(以下「鼻スミアテスト」という。) の判断基準値の目安には、2次スクリーニング検査とすることを想定し、1,000カウント毎分(内部被ばく実効線量約0.03ミリシーベルト相当)又は10,000カウント毎分(内部被ばく実効線量約0.3ミリシーベルト相当)があること。

ウ 第5条第3項に定める、厚生労働大臣の定める基準を超えた場合の措置については、判断基準値にイの目安を使う場合には以下の方法があること。

@ 防じんマスクによる検査結果が判断基準値を超えた場合は、鼻スミアテストを実施すること。

A 鼻スミアテストにより10,000カウント毎分を超えた場合は、3月以内ごとに1回、内部被ばく測定を実施すること。なお、女性(妊娠する可能性がないと診断されたものを除く。) にあっては、鼻スミアテストの基準値を超えた場合は、直ちに内部被ばく測定を実施すること。

B 鼻スミアテストにより、1,000カウント毎分を超えて10,000カウント毎分以下の場合は、その結果を記録し、1,000カウント毎分を超えることが数回以上あった場合は、3月以内ごとに1回内部被ばく測定を実施すること。

 

●線量の測定(5条第4項、第5項及び第7項関係 の解説)

ア 第4項の「1センチメートル線量当量」は、セシウム134及びセシウム137による被ばくが1センチメートル線量当量による測定のみで足りることから定められたものであること。

イ 第5項に規定する部位に放射線測定器を装着するのは、当該部位に受けた1センチメートル線量当量から、実効線量及び女性の腹部表面の等価線量を算定するためであること。

ウ 第7項に規定する厚生労働大臣が定める内部被ばく線量の測定の方法は、基準告示第6条によること。

 

●平均空間線量が2.5マイクロシーベルト毎時以下の地域における外部被ばく線量測定(5条第6項関係 の解説)

ア 第5条第6項の厚生労働大臣が定める方法は、基準告示第5条によること。

イ 基準告示第5条第1号の方法により外部被ばくを評価する場合、第5条第5項の放射線測定器を装着する場所が性別等により異なることから、女性(妊娠する可能性がないと診断されたものを除く。)の除染等作業従事者がいる作業場においては、放射線測定器を胸部又は腹部に装着する者をそれぞれ少なくとも1人ずつ選定すること。

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 130

 

ウ 基準告示第5条第2号の方法により外部被ばく線量を評価する場合、各除染等業務従事者の労働時間を把握し、それを基準告示第2条で定める方法により算定した平均空間線量率に乗じて個々の除染等業務従事者の外部被ばく線量を算定すること。

 

(線量の測定結果の確認、記録等)

第六条 事業者は、一日における外部被ばくによる線量が一センチメートル線量当量について一ミリシーベルトを超えるおそれのある除染等業務従事者については、前条第一項の規定による外部被ばくによる線量の測定の結果を毎日確認しなければならない。

2 事業者は、前条第五項から第七項までの規定による測定又は計算の結果に基づき、次の各号に掲げる除染等業務従事者の線量を、遅滞なく、厚生労働大臣が定める方法により算定し、これを記録し、これを三十年間保存しなければならない。ただし、当該記録を五年間保存した後において、厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは、この限りでない。

一 男性又は妊娠する可能性がないと診断された女性の実効線量の三月ごと、一年ごと及び五年ごとの合計(五年間において、実効線量が一年間につき二十ミリシーベルトを超えたことのない者にあっては、三月ごと及び一年ごとの合計)

二 女性(妊娠する可能性がないと診断されたものを除く。) の実効線量の一月ごと、三月ごと及び一年ごとの合計(一月間に受ける実効線量が一・七ミリシーベルトを超えるおそれのないものにあっては、三月ごと及び一年ごとの合計)

三 妊娠中の女性の内部被ばくによる実効線量及び腹部表面に受ける等価線量の一月ごと及び妊娠中の合計

3 事業者は、前項の規定による記録に基づき、除染等業務従事者に同項各号に掲げる線量を、遅滞なく、知らせなければならない。

 

●線量の測定結果の確認、記録等(6条関係 の解説)

ア 第1項は、1日における外部被ばくによる線量が1センチメートル線量当量について1ミリシーベルトを超えるおそれのある除染等業務従事者については、3月ごと又は1月ごとの線量の確認では、その間に第3条及び第4条に規定する被ばく限度を超えて被ばくするおそれがあることから、線量測定の結果を毎日確認しなければならないこととしたものであること。このような除染等業務従事者について、事業者は、警報装置付き放射線測定器を装着させる等により、一定限度の被ばくを避けるよう配慮すること。

イ 第2項は、放射線による確率的影響は晩発性であることにかんがみて、保存年限を30年間としているものであること。なお、同項における「厚生労働大臣が指定する機関」については、別途指定する予定であること。

ウ 第2項第1号において、3月ごとの合計を算定、記録し、同項第2号及び第3号において女性(妊娠する可能性がないと診断されたものを除く。) について1月ごとの合計を算定、記録するのは、それぞれの被ばく線量限度を適用する期間より短い期間で線量の算定、記録を行うことにより、当該被ばく線量限度を超えないように管理するものであること。

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 131

 

エ 第2項第1号において、5年間のうちどの1年間についても実効線量が20ミリシーベルトを超えない者については、当該5年間の合計線量の確認、記録を要しないこととしているが、5年間のうち1年間でも20ミリシーベルトを超えた者については、それ以降は、当該5年間の初めからの累積線量の確認、記録を併せて行うこと。

オ 第2項第1号の記録については、3月未満の期間を定めた労働契約又は派遣契約により労働者を使用する場合には、被ばく線量の算定を1月ごとに行い、記録すること。

 

第三章 除染等業務の実施に関する措置

(事前調査)

第七条 事業者は、除染等業務を行おうとするときは、あらかじめ、除染等作業を行う場所について、次の各号に掲げる事項を調査し、その結果を記録しておかなければならない。

一 除染等作業の場所の状況

二 除染等作業の場所の平均空間線量率

三 除染等作業の対象となる汚染土壌等又は除去土壌若しくは汚染廃棄物に含まれる事故由来放射性物質のうち厚生労働大臣が定める方法によって求めるセシウム百三十四及びセシウム百三十七の放射能濃度の値

2 事業者は、労働者を除染等作業に従事させる場合には、あらかじめ、前項の調査が終了した年月日並びに調査の方法及び結果の概要を当該労働者に明示しなければならない。

 

●事前調査(7条関係 の解説)

ア 第7条は、除染等業務においては、作業場ごとに放射線源の所在が異なるとともに、作業場の形状や作業内容により労働者ごとに被ばくの状況が異なるため、除染等業務を行う前に、除染等作業の場所の状況、平均空間線量率、作業の対象となる汚染土壌等又は除去土壌若しくは汚染廃棄物におけるセシウム134及びセシウム137の放射能濃度の値を調査し、その結果を記録することを義務付けたものであること。

イ 第1項第1号の「除染等作業の場所の状況」には、除染等作業を行う場所の地表、草木、建築物・工作物、雨水の集合場所、傾斜、作業場所の周辺の状況のほか、水道・電気、作業場所までの道路の使用可能性等が含まれること。

ウ 第2項の事前調査の結果等の労働者への明示については、書面により行うこと。

 

(作業計画)

第八条 事業者は、除染等業務を行おうとするときは、あらかじめ、除染等作業の作業計画を定め、かつ、当該作業計画により除染等作業を行わなければならない。

2 前項の作業計画は、次の各号に掲げる事項が示されているものでなければならない。

一 除染等作業の場所及び除染等作業の方法

二 除染等業務従事者の被ばく線量の測定方法

三 除染等業務従事者の被ばくを低減するための措置

四 除染等作業に使用する機械、器具その他の設備(次条第二号及び第十九条第一項において「機械等」という。) の種類及び能力

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 132

 

五 労働災害が発生した場合の応急の措置

3 事業者は、第一項の作業計画を定めたときは、前項の規定により示される事項について関係労働者に周知しなければならない。

 

●作業計画(8条関係 の解説)

ア 作業計画は、第7条に規定する事前調査の結果に基づいて策定すること。

イ 第2項第1号の「除染等作業等の場所」については、飲食・喫煙が可能な休憩場所、退去考及び持ち出し物品の汚染検査場所を含むこと。

ウ 第2項第1号の「除染等作業の方法」には、除染等業務従事者の配置、機械等の使用方法、作業手順、作業環境等が含まれること。

エ 第2項第2号の「被ばく線量の測定方法」には、平均空間線量率の測定方法、使用する放射線測定器の種類と数量、放射線測定器の使用方法等が含まれること。

オ 第2項第3号の「被ばくを低減するための措置」には、作業時間短縮等被ばくを低減するための方法及び平均空間線量率及び労働時間による被ばく線量の推定及びそれに基づく被ばく線量目標値の設定が含まれること。

カ 第2号第5号の「労働災害が発生した場合の応急の措置」には、使用機器等の安全な停止の方法、汚染拡大防止のための措置、安全な場所への待避の方法、警報の方法、被災者の救護の措置等が含まれること。

 

(作業の指揮者)

第九条 事業者は、除染等業務を行うときは、除染等作業を指揮するため必要な能力を有すると認められる者のうちから、当該除染等作業の指揮者を定め、その者に前条第一項の作業計画に基づき当該除染等作業の指揮を行わせるとともに、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。

一 除染等作業の手順及び除染等業務従事者の配置を決定すること。

二 除染等作業に使用する機械等の機能を点検し、不良品を取り除くこと。

三 放射線測定器及び保護具の使用状況を監視すること。

四 除染等作業を行う箇所には、関係者以外の者を立ち入らせないこと。

 

●作業の指揮者(9条関係 の解説)

ア 第9条は、除染等作業において、第8条の作業計画に基づく適切な作業を実施させるため、作業の指揮者を定め、その者に作業の指揮をさせることを義務付けたものであること。

イ 第9条の「必要な能力を有すると認められる者」とは、除染等作業に類似する作業に従事した経験を有する者であって第19条の特別教育を修了し、若しくは当該特別教育の科目の全部について十分な知識及び技能を有していると認められるもの又は以下の項目を満たす教育を受講した者であって第19条の特別教育を修了したものとすること。

@ 作業の方法の決定及び除染等業務従事者の配置に関すること

A 除染等業務従事者に対する指揮の方法に関すること

B 異常な事態が発生した時における措置に関すること

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 133

 

(作業の届出)

第十条 事業者(労働安全衛生法(以下「法」という。) 第十五条第一項に規定する元方事業者に限る。) は、除染特別地域等内において土壌等の除染等の業務を行おうとするときは、あらかじめ、様式第一号による届書を当該事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長(次条第二項及び第二十四条において「所轄労働基準監督署長」という。) に提出しなければならない。

 

●作業の届出(10条関係 の解説)

10条は、土壌等の除染等の業務の性質上、作業場が短期間で移動してしまうことにより、労働基準監督機関における作業場の把握が困難となることから、除染特別地域等内(平均空間線量率2.5マイクロシーベルト毎時を超える場所に限る。第5条第2項において規定。) において当該業務を行う元方事業者に対し、あらかじめ、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「所轄労働基準監督署長」という。) に作業の届出の提出を義務付けたものであること。

 

(診察等)

第十一条 事業者は、次の各号のいずれかに該当する除染等業務従事者に、速やかに、医師の診察又は処置を受けさせなければならない。

一 第三条第一項に規定する限度を超えて実効線量を受けた者

二 事故由来放射性物質を誤って吸入摂取し、又は経口摂取した者

三 洗身等により汚染を四十ベクレル毎平方センチメートル以下にすることができない者

四 傷創部が汚染された者

2 事業者は、前項各号のいずれかに該当する除染等業務従事者があるときは、速やかに、その旨を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。

 

●診察等(11条関係 の解説)

ア 第11条は、除染等業務従事者に放射線による障害が生ずるおそれがある場合に、医師の診察又は処置を受けさせることを義務付けたものであること。

イ 第1項第2号の「誤って吸入摂取し、又は経口摂取した者」とは、事故等で大量の土砂等に埋まったこと等により、大量の土砂や汚染水が口に入った者又は鼻スミアテスト等を実施してその基準を超えた者等、一定程度の内部被ばくが見込まれる者に限るものであること。

 

第四章 汚染の防止

(粉じんの発散を抑制するための措置)

第十二条 事業者は、除染等作業のうち第五条第二項各号に規定するものを除染等業務従事者に行わせるときは、当該除染等作業の対象となる汚染土壌等又は除去土壌若しくは汚染廃棄物を湿潤な状態にする等粉じんの発散を抑制するための措置を講じなければならない。

 

●粉じんの発散を抑制するための措置(12条関係 の解説)

12条でいう「湿潤な状態」とは水を噴霧する等により表土等を湿らせた状態のことをいうものであること。また、汚染水の発生を抑制するため、通常のホース等による散水ではなく、噴霧(霧状の水による湿潤)により行うこと。

また、「湿潤な状態にする等」の「等」には、粉じんの発散抑制効果のある化学物質の散布が含まれること。なお、噴霧するための水が入手不能な場合には、適切な保護具を使用して作業を実施すること。

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 134

 

(廃棄物収集等業務を行う際の容器の使用等)

第十三条 事業者は、廃棄物収集等業務を行うときは、汚染の拡大を防止するため、容器を用いなければならない。ただし、容器に入れることが著しく困難なものについて、除去土壌又は汚染廃棄物が飛散し、及び流出しないように必要な措置を講じたときは、この限りでない。

2 事業者は、前項本文の容器については、次の各号に掲げる廃棄物収集等業務の区分に応じ、当該各号に定める構造を具備したものを用いなければならない。

一 除去土壌又は汚染廃棄物の収集又は保管に係る業務除去土壌又は汚染廃棄物が飛散し、及び流出するおそれがないもの

二 除去土壌又は汚染廃棄物の運搬に係る業務除去土壌又は汚染廃棄物が飛散し、及び流出するおそれがないものであって、容器の表面(容器をこん包するときは、そのこん包の表而)から一メートルの距離における一センチメートル線量当量率が、0・一ミリシーベルト毎時を超えないもの。ただし、容器を専用積載で運搬する場合であって、運搬車の前面、後面及び両側面(車両が開放型のものである場合にあっては、その外輪郭に接する垂直面)から一メートルの距離における一センチメートル線量当量率の最大値が0・一ミリシーベルト毎時を超えないように、放射線を遮蔽する等必要な措置を講ずるときは、この限りでない。

3 事業者は、第一項本文の容器には、除去土壌又は汚染廃棄物を入れるものである旨を表示しなければならない。

4 事業者は、除去土壌又は汚染廃棄物を保管するときは、第一項本文の容器を用い、又は同項ただし書の措置を講ずるほか、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

一 除去土壌又は汚染廃棄物を保管していることを標識により明示すること。

二 関係者以外の者が立ち入ることを禁止するため、囲い等を設けること。

 

●廃棄物収集等業務を行う際の容器の使用等(13条関係 の解説)

ア 第1項本文の「容器に入れることが著しく困難なもの」には、大型の機械、容器の大きさを超える伐木、解体物等が含まれること。

イ 第1項ただし書の「飛散し、及び流出しないように必要な措置を講じたとき」とは、ビニールシートによるこん包等の措置を講じたとき等が含まれること。

ウ 第2項第2号は、除去土壌又は汚染廃棄物の運搬に係る業務においては、運搬車の遮蔽効果を踏まえ、容器を運搬車に搭載した状態の運搬車の表面線量率を規制する趣旨であること。

エ 第3項の「表示」は、他人が識別しやすい程度の大きさのものとするほか、文字の色についても他人が識別しやすい色とすること。

オ 第4項第2号の「囲い」は、複数のカラーコーンをテープ又はロープでつないだもの等簡易なもので差し支えないこと。

 

(退出者の汚染検査)

第十四条 事業者は、除染等業務が行われる作業場又はその近隣の場所に汚染検査場所を設け、除染等作業を行わせた除染等業務従事者が当該作業場から退出するときは、その身体及び衣服、履物、作業衣、保護具等身体に装着している物(以下この条において「装具」という。) の汚染の状態を検査しなければならない。

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 135

 

2 事業者は、前項の検査により除染等業務従事者の身体又は装具が四十ベクレル毎平方センチメートルを超えて汚染されていると認められるときは、同項の汚染検査場所において次の各号に掲げる措置を講じなければ、当該除染等業務従事者を同項の作業場から退出させてはならない。

一 身体が汚染されているときは、その汚染が四十ベクレル毎平方センチメートル以下になるように洗身等をさせること。

二 装具が汚染されているときは、その装具を脱がせ、又は取り外させること。

3 除染等業務従事者は、前項の規定による事業者の指示に従い、洗身等をし、又は装具を脱ぎ、若しくは取り外さなければならない。

 

●退出者の汚染検査(14条関係 の解説)

ア 第14条第1項の「汚染検査場所」には、汚染検査のための放射線測定器を備え付けるほか、洗浄設備等除染のための設備、防じんマスク等の汚染廃棄物の一時保管のための設備を設けること。汚染検査場所は屋外であっても差し支えないが、汚染拡大防止のためテント等により覆われているものであること。

イ 第14条第1項の「除染等業務が行われる作業場又はその近隣の場所」には、以下の場所が含まれること。

@ 除染等事業者が除染等業務を請け負った場所とそれ以外の場所の境界付近を原則とするが、地形等のため、これが困難な場合は、境界の近傍を含むこと。

A @にかかわらず、一つの除染等事業者が複数の作業場所での除染等業務を請け負った場合、密閉された車両で移動する等、作業場所から汚染検査場所に移動する間に汚染された労働者や物品による汚染拡大を防ぐ措置が講じられている複数の作業場所を担当する集約汚染検査場所を設ける任意の場所は「作業場の近隣の場所」に含まれること。複数の除染事業者が共同で集約汚染検査場所を設ける場合、発注者が設置した汚染検査場所を利用する場合も同様とすること。

ウ 第14条第1項の「作業場から退出するとき」には、密閉された車両等を使用する等汚染拡大防止を講じた上で他の作業場所に移動する場合は該当しないこと。

エ 第2項第1号に規定する「40ベクレル毎平方センチメートル」は、GM計数管のカウント値で13,000カウント毎分と同等であると取り扱って差し支えないこと。なお、周辺の空間線量が高いため、汚染限度の測定が困難な場合は、汚染検査場所を空間線量が十分に低い場所に設置すること。

オ 洗身等によっても身体の汚染が40ベクレル毎平方センチメートル以下にできない者については、第11条第1項第3号の規定により医師の診察を受けさせる必要があることから、医師の診察を受けさせる場合においては、当該者を作業場から退出させて差し支えないこと。

 

(持出し物品の汚染検査)

第十五条 事業者は、除染等業務が行われる作業場から持ち出す物品については、持出しの際に、前条第一項の汚染検査場所において、その汚染の状態を検査しなければならない、ただし、第十三条第一項本文の容器を用い、又は同項ただし書の措置を講じて、他の除染等業務が行われる作業場まで運搬するときは、この限りでない。

2 事業者及び労働者は、前項の検査により、当該物品が四十ベクレル毎平方センチメートルを超えて汚染されていると認められるときは、その物品を持ち出してはならない。ただし、第十三条第一項本文の容器を用い、又は同項ただし書の措置を講じて、汚染を除去するための施設、貯蔵施設若しくは廃棄のための施設又は他の除染等業務が行われる作業場まで運搬するときは、この限りでない。

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 136

 

●持ち出し物品の汚染検査(15条関係 の解説)

ア タイや等地面に直接触れる部分については、汚染検査後の運行経路で再度汚染される可能性があるため、第15条第1項の「持ち出し物品」汚染検査を行わなくて差し支えないこと。

イ 除去土壌又は汚染廃棄物を運搬した車両については、荷下ろし場所において、荷台等の除染及び汚染検査を行うことが望ましいが、それが困難な場合、第13条に定める飛散防止の措置を講じた上で、汚染検査場所に戻り、そこで汚染検査を行うこと。

 

(保護具)

第十六条 事業者は、除染等作業のうち第五条第二項各号に規定するものを除染等業務従事者に行わせるときは、当該除染等作業の内容に応じて厚生労働大臣が定める区分に従って、防じんマスク等の有効な呼吸用保護具、汚染を防止するために有効な保護衣類、手袋又は履物を備え、これらを当該除染等作業に従事する除染等業務従事者に使用させなければならない。

2 除染等業務従事者は、前項の作業に従事する間、同項の保護具を使用しなければならない。

 

●保護具(16条関係 の解説)

ア 第16条第1項の厚生労働大臣が定める区分については、基準告示第8条に規定されていること。

イ 基準告示第8条で定める防じんマスクの捕集効率については、高濃度汚染土壌等を取り扱う作業であって、粉じん濃度が10ミリグラム毎立方メートルを超える場所において作業を行う場合、内部被ばく線量を1年につき1ミリシーベルト以下とするため、漏れを考慮しても、7以上の防護係数を期待できる捕集効率95%以上の半面型防じんマスクの着用を義務付けたものであること。

ウ 高濃度汚染土壌等を取り扱う作業又は粉じん濃度が10ミリグラム毎立方メートルを超える場所における作業のいずれかに該当するものを行う場合にあっては、十分な防護を実現するため、捕集効率80%以上の防じんマスクの着用を義務付けたものであること。

エ 高濃度粉じん土壌等を取り扱うことがない作業であって、かつ、粉じん濃度が10ミリグラム毎立方メートル以下の場所における作業を行う場合にあっては、最大予測値の試算を行っても内部被ばく線量は最大でも1年につき0.15ミリシーベルト程度であるため、防じんマスクの着用の義務付けはないこと。ただし、じん肺予防の観点から定められている粉じん障害防止規則(昭和54年労働省令第18)27条の基準に該当しない作業(草木や腐葉土等の取扱等)であっても、サージカルマスク等を着用すること。

●保護衣等(16条関係 の解説)

ア 第16条第1項の厚生労働大臣が定める区分については、基準告示第8条に示すところによること。

イ 高濃度汚染土壌等を取り扱う作業を行う場合、汚染拡大を防止するため、ゴム手袋の着用を義務付けたものであること。

ウ 粉じん濃度が10ミリグラム毎立方メートルを超える場所において高濃度汚染土壌等を取り扱う作業を行う場合にあっては、汚染拡大防止のため、全身化学防護服(:密閉形タイペックスーツ)等の防じん性の高い保護衣類の着用を義務付けたものであること。

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 137

 

エ 除染等作業では水を使うことが多く、汚染の人体や衣服への浸透を防止するため、また、汚染した場合の除染を容易にするため、ゴム長靴等の不浸透性の素材による靴の着用を義務付けたものであること。なお、作業の性質上、ゴム長靴等を使用することが困難な場合は、靴の上をビニールにより覆う等の措置が必要であること。

 

(保護具の汚染除去)

第十七条 事業者は、前条の規定により使用させる保護具が四十ベクレル毎平方センチメートルを超えて汚染されていると認められるときは、あらかじめ、洗浄等により四十ベクレル毎平方センチメートル以下になるまで汚染を除去しなければ、除染等業務従事者に使用させてはならない。

 

(喫煙等の禁止)

第十八条 事業者は、除染等業務を行うときは、事故由来放射性物質を吸入摂取し、又は経口摂取するおそれのある作業場で労働者が喫煙し、又は飲食することを禁止し、かつ、その旨を、あらかじめ、労働者に明示しなければならない。

2 労働者は、前項の作業場で喫煙し、又は飲食してはならない。

 

●喫煙等の禁止(18条関係 の解説)

ア 第18条第1項の「事故由来放射性物質を吸入摂取し、又は経口摂取するおそれのある作業場」に該当しない場所は、原則として、車内等、外気から遮断された場所であるが、これが確保できない場合、以下の要件を満たす場所とすること。喫煙については、屋外であって、以下の要件を満たす場所とすること。

@ 高濃度の汚染土壌等が近傍にないこと。

A 粉じんの吸引を防止するため、休憩は一斉にとることとし、作業中断後、20分間程度、飲食・喫煙をしないこと。

B 作業場所の風上であること。風上方向に移動できない場合、少なくとも風下方向に移動しないこと。

C 飲食・喫煙を行う前に、手袋、防じんマスク等、汚染された装具を外した上で、手を洗う等の洗浄措置を講じること。高濃度の汚染土壌等を取り扱った場合は、飲食前に身体等の汚染検査を行うこと。

D 作業中に使用したマスクは、飲食・喫煙中に放射性物質が内面に付着しないように保管するか、廃棄すること。なお、廃棄する前には、スクリーニング検査のために、マスク表面の事故由来放射性物質の表面密度を測定すること。

E 作業中の水分補給については、熱中症予防等のためやむを得ない場合に限るものとし、作業場所の風上に移動した上で、手袋を脱ぐ等の汚染防止措置を行った上で行うこと。

イ 第18条第1項でいう「労働者へ明示」は、書面の交付、掲示等によること。

 

第五章特別の教育

(除染等業務に係る特別の教育)

第十九条 事業者は、除染等業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、次の各号に掲げる科目について、特別の教育を行わなければならない。

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 138

 

一 電離放射線の生体に与える影響及び被ばく線量の管理の方法に関する知識

二 除染等作業の方法に関する知識

三 除染等作業に使用する機械等の構造及び取扱いの方法に関する知識

四 関係法令

五 除染等作業の方法及び使用する機械等の取扱い

2 労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)第三十七条及び第三十八条並びに前項に定めるほか、同項の特別の教育の実施について必要な事項は、厚生労働大臣が定める。

 

●特別の教育(19条関係 の解説)

ア 第19条は、除染等業務に従事する者に対し、除染電離則で定める措置を適切に実施するために必要とされる知識及び実技の科目について特別の教育を実施することを義務付けたものであること。

イ 第19条第2項の厚生労働大臣が定める事項については、特別教育規程によること。

ウ 第1項第1号から第4号までが学科教育、同項第5号が実技教育であり、その範囲及び時間については、特別教育規程第2条及び第3条によること。

エ 第1項第1号から第4号までの学科教育の科目については、標準的なテキストを示す予定であること。

 改正電離則 において 教育についても 改正が行われました

第六章 健康診断

(健康診断)

第二十条 事業者は、除染等業務に常時従事する除染等業務従事者に対し、雇入れ又は当該業務に配置替えの際及びその後六月以内ごとに一同、定期に、次の各号に掲げる項目について医師による健康診断を行わなければならない。

一 被ばく歴の有無(被ばく歴を有する者については、作業の場所、内容及び期間、放射線障害の有無、自覚症状の有無その他放射線による被ばくに関する事項)の調査及びその評価

二 白血球数及び白血球百分率の検査

三 赤血球数の検査及び血色素量又はヘマクリット値の検査

四 白内障に関する眼の検査

五 皮膚の検査

2 前項の規定にかかわらず、同項の健康診断(定期のものに限る。以下この項において同じ、)を行おうとする日の属する年の前年一年間に受けた実効線量が五ミリシーベルトを超えず、かつ、当該健康診断を行おうとする日の属する一年間に受ける実効線量が五ミリシーベルトを超えるおそれのない者に対する当該健康診断については、同項第二号から第五号までに掲げる項目は、医師が必要と認めないときには、行うことを要しない。

 

●健康診断(20条関係 の解説)

ア 第20条に規定する健康診断は、除染等業務従事者の健康状態を継続的に把握することにより、当該除染業務従事者に対する労働衛生管理を適切に実施するために行うものであること。

イ 第1項において、雇入れ又は配置替えの際に、原則として同項各号に掲げる検査を行わせることとされているのは、労働者が除染等業務に従事した後において、電離放射線による影響と同種の影響が生じた場合に、それが除染等業務に起因するものかどうかを判断する上で、また、当該労働者が除染等業務に従事した後において、当該除染等業務に従事することによってどの程度の影響を受けたかを知る上で、必要とされることによるものであること。

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 139

 

ウ 第1項第1号の「自覚症状の有無」及び「評価」は、同項第2号から第5号までの各検査項目の省略の可否を医師が適切に判断できるように設けられているものであること。

エ 第2項については、定期健康診断日の属する年の前年「1年間」(事業者が事業場ごとに定める日を始期とする1年間)に受けた実効線量が5ミリシーベルトを超えず、当該定期健康診断日の属する「1年間」に5ミリシーベルトを超えるおそれのない労働者に対しては、定期健康診断は原則として第1項第1号のみを行えばよく、同項第1号の検査の結果、同項第2号から第5号までの検査の一部又は全部について医師が必要と認めるときに限り当該検査を実施すれば足りるものであること。

オ 第2項の「5ミリシーベルトを超えるおそれのない」ことの判断に当たっては、個人の被ばく歴及び今後予定される業務内容、作業頻度等から合理的に判断すれば足りるものであること。

カ 第1項第1号の調査項目、第2号から第5号までの健康診断の省略の可否の判断については、「電離放射線障害防止規則第56条に規定する健康診断における被ばく歴の有無の調査の調査項目の詳細事項について」(平成13622日基安労発第18)を参考にすること。

キ除染等業務に常時従事しない除染等業務従事者についても、雇入れ又は当該業務に配置替えの際に、第20条第1項第1号の被ばく歴の有無の調査及びその評価を実施することが望ましいこと。

 

(健康診断の結果の記録)

第二十一条 事業者は、前条第一項の健康診断(法弟六十六条第五項ただし書の場合において当該除染等業務従事者が受けた健康診断を含む。以下「除染等電離放射線健康診断」という。) の結果に基づき、除染等電離放射線健康診断個人票(様式第二号)を作成し、これを三十年間保存しなければならない。ただし、当該記録を五年間保存した後において、厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは、この限りでない。

 

(健康診断の結果についての医師からの意見聴取)

第二十二条 除染等電離放射線健康診断の結果に基づく法弟六十六条の四の規定による医師からの意見聴取は、次の各号に定めるところにより行わなければならない。

一 除染等電離放射線健康診断が行われた日(法弟六十六条第五項ただし書の場合にあっては、当該除染等業務従事者が健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出した日)から三月以内に行うこと、

二 聴取した医師の意見を除染等電離放射線健康診断個人票に記載すること。

 

●健康診断の結果についての医師からの意見聴取(22条関係 の解説)

医師からの意見聴取は労働者の健康状態から緊急に労働安全衛生法(昭和47年法律第57)66条の51項の措置を講ずべき必要がある場合には、できるだけ速やかに行う必要があること。また、意見聴取は、事業者が意見を述べる医師に対し、健康診断の個人票の様式の「医師の意見欄」に当該意見を記載させ、これを確認することとすること。

 

(健康診断の結果の通知)

第二十三条 事業者は、除染等電離放射線健康診断を受けた除染等業務従事者に対し、遅滞なく、当該除染等電離放射線健康診断の結果を通知しなければならない。1

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 140

 

●健康診断の結果の通知(23条関係 の解説)

「遅滞なく」とは、事業者が、健康診断を実施した医師、健康診断機関等から結果を受け取った後、速やかにという趣旨であること。

 

(健康診断結果報告)

第二十四条 事業者は、除染等電離放射線健康診断(定期のものに限る。) を行ったときは、遅滞なく、除染等電離放射線健康診断結果報告書(様式第三号)を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

 

●健康診断結果報告(24条関係 の解説)

24条による報告は、事業の規模にかかわりなく、報告しなければならないこと。

 

(健康診断等に基づく措置)

第二十五条 事業者は、除染等電離放射線健康診断の結果、放射線による障害が生じており、若しくはその疑いがあり、又は放射線による障害が生ずるおそれがあると認められる者については、その障害、疑い又はおそれがなくなるまで、就業する場所又は業務の転換、被ばく時間の短縮、作業方法の変更等健康の保持に必要な措置を講じなければならない。

 

●健康診断等に基づく措置(25条関係 の解説)

ア 第25条の「障害が生じており」、「その疑いがあり」及び「障害が生ずるおそれがある」の判断は、健康診断を行った医師が行うものであること。

イ 「その疑いがあり」とは、現在、異常所見が認められるが、それが除染等業務に従事した結果生じたものであるかどうか判断することが困難な場合等をいうこと。

ウ 「障害が生ずるおそれがある」とは、現在、異常所見は認められないが、その労働者が受けた線量当量から考えて障害が生ずる可能性があるとか、現在の健康状態から考えて新たに又は今後引き続き除染等業務に従事することによって障害が生ずる可能性がある等の場合をいうこと。

 

第七章雑則

(放射線測定器の備付け)

第二十六条 事業者は、この省令で規定する義務を遂行するために必要な放射線測定器を備えなければならない。ただし、必要の都度容易に放射線測定器を利用できるように措置を講じたときは、この限りでない。

 

●放射線測定器の備付け(26条関係 の解説)

26条ただし書の「必要の都度容易に放射線測定器を利用できるように措置を講じたとき」には、その事業場に地理的に近い所に備え付けられている放射線測定器を必要の都度使用し得るように契約を行ったとき等があること。

 

(記録等の引渡し等)

第二十七条 第六条第二項の記録を作成し、保存する事業者は、事業を廃止しようとするときは、当該記録を厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すものとする。

2 第六条第二項の記録を作成し、保存する事業者は、除染等業務従事者が離職するとき又は事業を廃止しようとするときは、当該躁等業務従事者に対し、当該記録の写しを交付しなければならない.

 

2r9852000001yyaj.pdf での頁 141

 

●記録の引渡し等(27条及び第28条関係 の解説)

ア 有期労働契約又は派遣契約を締結した除染等業務従事者については、第6条に定める事項のほか、当該契約期間の満了日までの当該者の線量の記録を作成し、当該者が離職するときに、当該者に当該記録の写しを交付すること。

イ 除染等業務に常時従事しない除染等業務従事者について、第20条の健康診断を実施した場合には、除染等電離放射線健康診断個人票を作成し、当該者が離職するときは、当該者に当該個人票の写しを交付すること。

 

第二十八条 除染等電離放射線健康診断個人票を作成し、保存する事業者は、事業を廃止しようとするときは、当該除染等電離放射線健康診断個人票を厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すものとする。

2 除染等電離放射線健康診断個人票を作成し、保存する事業者は、除染等業務従事者が離職するとき又は事業を廃止しようとするときは、当該除染等業務従事者に対し、当該除染等電離放射線健康診断個人票の写しを交付しなければならない。

 

(調整)

第二十九条 除染等業務従事者のうち電離則第四条第一項の放射線業務従事音叉は同項の放射線業務従事者であった者が放射線業務従事者として電離則第二条第三項の放射線業務に従事する際に受ける又は受けた線量については、除染特別地域等内における除染等作業により受ける線量とみなす、

 

●調整(29条関係 の解説)

電離則第2条第3項の放射線業務により受けた線量は、除染等業務に係る作業における線量とみなし、除染等作業による被ばくと合算して、第3条及び第4条の被ばく限度を超えないようにしなければならないこと。

また、除染電離則の施行前に行われた除染等作業により労働者が受けた線量についても、合算すること。

 

附則

(施行期日)

第一条この省令は、平成二十四年一月一日から施行する。